ヤッホー♪けんちゃんです。
この記事を読み終わったとき、あなたは「昭和に、どのようにして日本が戦争につきすすんでいったのか」理解できていることでしょう。
本日の題材は、京大入試1998年の論述問題です。
要約いたしますと、「第1次近衛文麿内閣の時代に、盧溝橋事件から第1次近衛声明に至るまでの半年間、軍事面と政治面において、日本と中国との関係がどのように展開されていったのか述べよ。」という問いですな。
攻略の準備はよいかね?
けんちゃん直伝「論述問題の解法3step」
1.キーワードから/連想できる用語を羅列する。
2.各用語を「因果関係」や、「共通点によって並列できるもの」でカテゴライズする。つまり、用語ごとにグループ分けして、グループ名をつけていく。
3.英語の「無生物主語構文」の和訳のように文章化していく。
上記の説明だけでは意味が分かるはずもなく、怒った読者さんから石が飛んできそうなので、実際にデモンストレーションをするとしましょう。
1.キーワードから連想できる用語を羅列
本問の1番のキーワードは、「第1次近衛文麿内閣」でしょう。近衛のおっさんが初めて首相を務めとったときに起こったことや定めたこととしては、以下の10個を連想できるようになってくださいな。
(軍事)
・第2次上海事変 ・第2次国共合作 ・抗日民族統一戦線
・南京事件 ・トラウトマン和平工作 ・蔣介石、重慶に逃れる。
(政治)
・軍事予算の増加 ・臨時資金調整法 ・輸出入品等臨時措置法
・国民精神総動員運動実施要綱
2.用語をグループ分けして、名前を付ける
(1.と2.をくっつけて一気に行えるようになるとさらにgood)
(軍事)
<日本の攻撃> ・第2次上海事変
<中国の抵抗> ・第2次国共合作 ・抗日民族統一戦線
<因果関係> ・南京事件→トラウトマン和平工作の失敗→蔣介石、重慶へ。
(政治)
<経済統制> ・軍事予算の増加 ・臨時資金調整法 ・輸出入品等臨時措置法
<思想統制> ・国民精神総動員運動実施要綱
3.「無生物主語構文の和訳」のように文章化
これがそのまま解答例となります。
(解答例)
軍事面では、日本は盧溝橋事件の停戦協定の後に第2次上海事変を起こし、中国は第2次国共合作の実施や抗日民族統一戦線の結成によって抵抗した。日本が南京を占領するとトラウトマン和平工作は失敗し、蔣介石は重慶に逃れた。政治面では、第1次近衛文麿内閣は軍部に押されて軍事予算を増加させた。また、臨時資金調整法や輸出入品等臨時措置法を制定して経済を統制し、国民精神運動実施要綱を示して思想を統制した。(194字)
おわりに
かの有名な「国家総動員法」は、「国民政府を対手とせず」の後に制定されるので、論述には書きません。
こうして日本は、自ら仲直りの機会を潰し、戦争へと突き進んでいったんですねぇ。
上記の解答例を参考に、ぜひ自分のオリジナル解答を書いてみて下さいな。どうぞよしなに。
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